「共謀罪」強行はどう考える?

「共謀罪」法案が5月19日の衆院法務委員会で、自民、公明、日本維新の会の賛成多数で採決されました。維新議員が「これ以上質疑は必要ない」と発言し、自民議員が質疑打ち切り動議を提出した後でした。

共謀罪は独裁政権の入口?

共謀罪法案については、日弁連が反対を表明しています。

そもそも、この共謀罪の特徴ですが、

  1. 実行や準備よりも前に、合意した段階で犯罪になる。
  2. 犯罪の合意を立証するためには、メールやライン等のやりとりを捜査機関が監視することになる。
  3. 「国際組織犯罪防止法」ではなくて、共謀罪。
  4. 一言で言えば、治安維持法みたいな感じ。

内容もなんですが、私が一番懸念していることは、「私は一般人だから関係ないし」という人が多くいるだろうと思うことです。
もしも、この組織的な犯罪を共謀することを取り締まる法律ができたら、どうなるでしょうか。

私が政府を握ったら、まず、日本経団連と自民党、公明党の議員や支持者を逮捕していきます。政府の文書はなくすし、税金は自分たちから取らないで庶民から取ろうとするし、若者に予算を回さず、高学費・低収入。日本の国をダメにしてますよね。だから、その責任を取らせてしまおうと画策して、一人ひとり、とりあえずどんな理由でもいいので逮捕するんです。大事なのは、白か黒かではありません。逮捕しちゃうことです。
どんどんそういう人たちが逮捕されていくと、なんだか近寄りたくなくなりますよね。そうです。それがねらいです。
ほら、こうすれば一度握った政権は守られます。
独裁政権を打ち立てられますね。

国家権力に対する考え方は

現実には、私が権力を握ることはないんですが、「国がそんなことするわけない」と思うでしょうか。
はい、ここが大きな分かれ道です。

国家権力って、あなたにとって何ですか?

国は、私をどんなときでも絶対に守ってくれるものと思っている人は、共謀罪に賛成かもしれません。
共謀罪が成立すれば、監視社会にはなりますが、どんなときでも自分を守ってくれて、他人を捕まえてくれるというのですから。
この考え方の前提には、国民がすべて投票行為で代議員を正しく決定できるというものがなければなりません。

でも、私は国家権力をすべて信じることができません。
最近で言えば、森友学園や加計学園のような出来事だとか。
そういうことだけでなくてもいいのですが、たとえば定年になったら、年金がもらえるかなとか。
年金がちゃんともらえるって言い切れる人はいますか?
私は不安です。国っていつも責任を取らないですよね。
あと、税金のこともです。収入は増えないのに、消費税だとか、軽自動車税だとか。取るものは取るのに、よこすものはよこさない。そんな友人がいたらつきあいたくないですよね。

おっと。
経済的なことと犯罪取り締まりは違うと言われるかもしれませんね。
でも、最近の警察は、被疑者に勝手にGPSを取り付けます。2006年6月に作成された「移動追跡装置運用要領」というマニュアルの「保秘の徹底」3項目です。

警察庁が移動追跡装置運用要領で示した「保秘の徹底」3項目

  • 捜査書類には、移動追跡装置の存在を推知させるような記載はしない
  • 被疑者の取り調べでは、移動追跡装置を用いたことを明らかにしない
  • 事件広報の際には、移動追跡装置を使用して捜査を実施したことを公にしない

朝日新聞 GPS捜査、警察庁が存在隠すよう指示 公判で明らかに 2017年2月1日

また、2016年8月には、大分県警が参院選の選挙期間中に民進党関連建物敷地内に隠しカメラを設置して、人の出入りを録画していました。
こういうことが現実にあったわけで、やはり気持ちのいいものではありません。

立場で分かれやすいのが、歴史教科書検定でしょうか。
日本の国の立場に賛成な人は、国が教科書の表現に筆を入れる検定に賛成でしょう。
しかし、歴史的な事実を追い求めたいと思っている人は反対でしょう。

労働組合に関わっている立場としては、いまの政権は経営者政権ですから、何かあったら攻撃されかねませんね。「そんなわけない」って思いますか。それは、戦前の歴史を見てみたら答えがわかるでしょう。

要は、一人ひとりの中にある「国家観」によって、答えが左右されるのではないでしょうか。

政治的無関心の中で

共謀罪に賛成にしろ反対にしろ、小さな法律ではありません。大きな変化なので、議論を尽くしてみんなで決めるべきだと思うのですが、どうでしょう。
とにかく、低投票率。政治的話題への無関心。そんな感じになっていないでしょうか。
あのていたらくな政治劇を見せられれば、確かにそうなるのもわかります。
しかも、「もう議論はいいから、さっさと採決しようぜ」と討議打ち切りの動議だとか訳わかんないかぎりです。
多数決で決めるというのは、真理の追究を諦めてしまう行為なんですけどねぇ。

でも、無関心だからと言っていられないときもあります。
なにせ、無関心の中で突っ走られるのが、一番怖いことです。

「よくわかんない」という方は、政府の説明(賛成)と日弁連の意見(反対)をざっと見てみるだけでもいいのです。
共謀罪をどう考えるかの前に、まず考えることから初めてみませんか。

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