なぜユニオンがないの?労働組合の復権が必要

このようなお便りが届きました。

三菱自動車で燃費性能偽装事件がありました。本社の社員はともかく、下請けや関連企業の従業員にとって死活問題です。それなのに、下請けや関連企業には、従業員を守るユニオンがありません。なぜなのでしょうか。

このことについて、ちょっと考えてみたいと思います。

反省は口先だけだったのか

三菱自動車には、「三菱自動車労働組合」があります。燃費性能偽装事件のニュースに出てきます。

軽自動車の燃費偽装問題で、三菱自動車と三菱自動車労働組合は、生産を止めている水島製作所(岡山県倉敷市)の従業員について、6月末までの休業補償で合意した。1カ月のうち休業5日までは日給の85%、6日以降は100%にあたる休業手当を会社が支給する。
朝日新聞 三菱自動車と労組、休業補償で合意 水島製作所 2016年5月26日

ところで、三菱自動車と言えば、過去にリコール隠しなどの問題を発生させました。

00年には、ユーザーからのクレーム情報を隠蔽(いんぺい)し、内密に改修・修理する大規模な「リコール隠し」をしていたことが発覚。02年には横浜市と山口県で大型車の死傷事故が相次ぎ、欠陥を組織的に隠したり、国に虚偽の説明をしたりしたとして最終的に元社長らが有罪判決を受けた。04年には乗用車の幅広い車種で再びリコール隠しが発覚した。
12年には、エンジン部品のリコールに消極的だったとして国土交通省から厳重注意を受け、軽自動車176万台のリコールに発展した。
朝日新聞 リコール隠し・欠陥隠し…三菱自、途絶えぬ不祥事の歴史 2016年4月27日

このとき、当該労働組合も「経営のチェック・フォロー機能が甘かった」と反省の弁を述べていました。

2000年のリコール隠しと同じ過ちを繰り返したことに対して、労働組合としての経営のチェック・フォロー機能が甘かったとし、当事者として猛省すると同時に、組織・個人の意識改革の必要性を痛感している
連合ホームページ 三菱自動車、三菱ふそうトラック・バスのリコールなど不祥事に関する談話 2004年7月15日

つまり、今回の事件について、「なんだ、反省してないじゃん」と言われても仕方のないところではないでしょうか。

どんな方針を持ち、実行できているかチェックすること

労働組合は、必ず年1回以上の総会を開かなければなりません。
その総会でそれまでの取り組みについて反省し、それからの運動方針が決まります。今時の言葉で言えば、PDCAサイクルです。計画を行い、実行し、それをチェックして、再び行動することで、次第に改善していきます。そのための総会です。
まず問題となるのは、方針です。
ときどきネットの書き込みにこういうのがあります。
「労働組合は、労働条件の向上のことだけやっていればいいんだよ。」
もしもこれを本当に実行したらどうなるでしょうか。今回の燃費性能偽装事件のような会社の不祥事についてはチェックしないという意味になります。つまり、労働組合は、労働条件の向上のことだけやっていてはいけないのです。
また、取り組みを反省して、新しい方針を正しく作ったとしても、それについてきちんと実行し、チェックできたでしょうか。それを受け止めるのは役員であり、最終的に判断するのは総会です。結果的に過ちを繰り返しているのですから、なあなあにやってしまっているのではないか、しゃんしゃん総会だったのではないかと疑われても仕方ないでしょう。

にいがた青年ユニオンの場合、基本的な考え方が「組合員の労働条件の向上」ではありますが、ただそれだけではありません。私たちを取り巻く環境がよりよく変わって実現できると思っています。つまり、私たちだけがよくなればいいのではありません。みんなが一緒によくならなければならないのです。

ユニオンが足りない

会社寄りの企業内労働組合の場合、会社の利益を優先して行動します。それの度が過ぎると、「自分だけがよくなればいい」「他の会社の人はどうでもいい」となります。もちろん、すべての企業内労働組合がそうだとは言いませんが、一歩間違えるとそういう傾向を持ってしまうことになります。
そこで注目を集めているのが、「」です。会社の枠にとらわれない労働組合で、合同労組や一般労組などとも呼ばれます。この場合、複数の会社の労働者から構成されているので、間違っても「自分だけがよくなればいい」という発想は生まれてきません。
しかし、ユニオンが組織を運営していくのは困難です。組合員がバラバラに暮らし、組織力、資金力が弱いためです。そのため、日本中にユニオンがあふれかえっているという状態にならないのです。

労働組合も足りない、その結果

現在の日本では、労働者の5人に一人すら労働組合に加入していない状態です。しかも、あってもたいがいの労働組合は大企業や官公庁です。中小企業の労働者にとって、労働組合は縁遠いものになっています。
その結果、何が起きているでしょうか。
労働者派遣が拡大し、不安定な働き方が増えました。
「非正規」雇用が増大し、10人に4人にのぼります。
格差は拡大、貧困が広がっています。
「派遣村」を覚えているでしょうか。ひとたび何かあれば、私たちはいつでもホームレスになるのだということを思い知らされました。
確かに労働者は立場が弱いのですが、あまりに弱すぎます。団結力を失ったバラバラの労働者が漂流しています。それによって、大企業は大もうけをあげられたかもしれませんが、行き着いた先が内需の冷え込み、社会の不安定化です。
では、みなさん。労働組合に入りましょう、といっても、そう簡単ではありません。

、ユニオンの復権が必要

これだけブラック企業がはびこり、働く人の不満が高まっているのに、労働組合の組織率は低下しています。なぜでしょうか。
会社からにらまれるのが怖いからでしょうか。それもなくはありません。会社に労働組合がないからでしょうか。確かに身近に労働組合がないことは一因です。でも、それだけでは説明はつきません。人によって考えは違うと思いますが、私は「労働組合に権威がなくなっているから」が最大の要因だと思います。
今回の三菱自動車の不祥事のようなことを行えば、会社も立ちゆかなくなりますが、当然、当該の労働組合も批判を浴びます。そのような労働組合が何か言ったところで、それに権威があるでしょうか。もちろん、人間集団なので、間違いは起きます。しかし、そこから立ち直る作業をきちんとすることで、権威は取り戻せるはずです。でも、それを怠ってしまったのです。それが今回の三菱自動車の不祥事です。
それだけではありません。
「自分だけがよければいい」という傾向がないでしょうか。ブラック企業で苦しんでいる労働者のために何かしているでしょうか。ホームレスになりそうな労働者のために何かしているでしょうか。退職後に低賃金でこき使われている人のために何かしているでしょうか。お便りにあったように、下請けや関連会社の労働者のために何かしているでしょうか。同じ会社で働く派遣労働者のために何かしているでしょうか。
たしかに方法はさまざまです。力の入れ方も強弱はあるでしょう。にいがた青年ユニオンも、やりたいことはたくさんあっても、力がないため全部はできません。ですが、組織内候補者の選挙だけ力を入れていると見られていないでしょうか。もちろん、選挙活動が悪いとはいいません。自分たちの意見を議会に届けるために必要だと判断したから、総会でそうした判断をしたのでしょう。しかし、組合員に対して無理強いをすれば権威を失う結果となります。以前アニメに出てきた労働組合について書きましたが(アニメ「Classroom Crisis」第4話に出てきた労働組合について、労働組合の中の人がまじめに語りますよ)、これがそのような印象を持たれている証拠です。
会社の味方をする御用組合ではないでしょうか。全員加入を強制し、会社の敵となる不満分子を見つけ出すことを目的とする労働組合は、名前だけは労働組合ですが、中身は違います。こんな労働組合は真の労働者の味方ではありません。当然、労働組合の復権はできません。

私はこう思います。
新潟県民の皆さんから「にいがた青年ユニオン、小さいけれど、がんばってるじゃないか」と応援され、拍手されるような、そんな労働組合でありたい。
にいがた青年ユニオンの組合員が、となりの家に住んでいたら、仲良く暮らしたい。何かあったら頼りたい。そういう存在でありたい。

そんな労働組合があってこそ、労働組合への信頼が増すのではないでしょうか。そして、日本中にユニオンがあふれかえるようになってくれたらいいなと思います。
もし、にいがた青年ユニオンについてちょっとでも興味をおもちになられたら、新潟県内外にかかわらず下のメールフォームからぜひご連絡ください。

たくさんのことを我慢して頑張っているうちに、いつの間にか自分の人生を仕事やお金に握られてしまっていると感じませんか?

ここでは、あなたはお客様ではありません。
あなたも私も同じ、人生の主人公です。

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一緒にその使い方を学び、身につけませんか?

にいがた青年ユニオンは、労働者自らが真剣に運営する労働組合です。職場との関係、同僚との関係、生活上の心配事なども含めて、あなたと一緒になって考え、共に行動します。

相談は無料です。まずは、お気軽にご相談ください。

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なぜユニオンがないの?労働組合の復権が必要

三菱自動車の燃費性能偽装事件から

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コメント

  1. […] ょう。 このことを考えた時、先日の労働者と労働組合の関係の記事(なぜユニオンがないの?労働組合の復権が必要)が頭をよぎりました。ちょっと話は違いますが、労働者をいじめる […]