「1ヶ月前に通告すればクビにできる」はウソです

「解雇の1ヶ月前に通告したからクビにできる。」
「1ヶ月分の給料を払ってやるから、今日でクビだ。」

そんなふうに言われると、たいがいの方は、失業保険はもらえるだろうか、有給休暇は使えるだろうかと考えてしまいがち。
ですが、ちょっと待ってください。
そんな上司の言い分は間違っています。
だまされてはいけません。

会社が労働者を解雇する場合、手続きとして労働者に対し少なくとも30日前に解雇予告をするか、予告に代えて30日分以上の平均賃金を解雇予告手当として支払うかしなくてはなりません。

(解雇の予告) 労働基準法20条
使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りでない。
○2  前項の予告の日数は、一日について平均賃金を支払つた場合においては、その日数を短縮することができる。

これは、民法で2週間前までに解雇(使用者が一方的に契約を打ち切る)か退職(労働者が一方的に契約を打ち切る)かできるとしているのですが、それだと労働者側が不利なので、それを労働基準法で上書きしたものです。

(期間の定めのない雇用の解約の申入れ) 民法627条
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

脇道にそれますが、このことから、退職の場合は、2週間前までに退職する旨を伝えればいいということになります。

では、その手続きを守ったから解雇が有効なのかと言えば、そうではありません。

) 16条
解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

たとえば、会社の経営状況が悪くなったときに行われる整理解雇は4つの要件が成立しなくてはなりません。

  1. 会社を維持するために、人員整理を行う経営上の必要性がある
  2. 解雇を回避するための努力がなされている
  3. 解雇される労働者の選定基準が妥当である
  4. 事前に労働組合など労働者側に十分な事情説明がある

このように、単に「経営が苦しいから」では、解雇は認められないのです。
解雇が無効となれば、その間に働けなかったのは会社側の都合ですから、決定までに要した期間中の賃金を支払ってもらえます。

つまり、手続き的に正しかろうと、中身が正しくなければ無効だという意味です。

もしも、解雇だと言われたら、まずは会社側には何も答えず、ご相談ください。不当な解雇なのかどうか、そうだとしたらどう対処したらいいのか考えましょう。

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