有給休暇を消化させてくれない!→それ違法です

「退職しますが、それまで有休消化します」と届け出ただけなのに、損害賠償請求されるという驚くケースが意外にあります。
極端な例は少ないかもしれませんが、退職前だけにいろいろなトラブルが発生しがちです。たいがいが、使用者の知識不足かデタラメです。

有給休暇は、届けるだけでほぼほぼ取得できる

年次有給休暇は、よくよく考えてみると不思議な休暇ですね。働いていないのに、賃金は受け取れます。「ノーワークノーペイイ」の原則からずれているわけです。もともとは、ヨーロッパの会社幹部の夏休みから始まり、それが企業の中堅幹部などへ広がって、1936年にはILO52号条約へと発展していきます。現在ではILO132号条約へ改正されていますが、例によって、日本は未批准です。

さて、年次有給休暇は、労働基準法で最低限度のルールが決められています。
したがて、「うちの会社に有休はない」ということはありえませんが、「労基法以上に有休の条件が整備されている」ということも当然にあります。

一定期間の継続勤務をすると、有給休暇の権利が発生します。
その権利は、勤務日のいつに取得するかを届け出る(時季指定権)だけで有給で休むことができます。
取得理由は、労働者の自由です。

連続で取得してもかまいませんが、業務の調整なども必要になりますので、ある程度事前に届け出ることと就業規則等で定めていることもあるはずです。
また、シフトで勤務しているようなケースもあるでしょう。その場合、本来はシフトが決まった後でなければ有給休暇の時季指定をすることができません。あくまでも、勤務日に対して時季指定をするものだからです。
もちろん、パートタイマーにも有給休暇はあります。

時季変更はまずない

使用者側は、有給休暇の時季指定が行われると、時季変更権を行使する余地が残ります。
単なる人手不足だとか、忙しいとか、そんな理由で取得するなといったことではなく、会社全体の事業が止まってしまうケースに使われます。
ただ、あくまでもその日にのみ限って会社の事業が止まってしまうからという状態でないと変ですよね。他の日にも同じ理由で時季変更されたら、いつまで経っても有給休暇が使えませんから。
会社側には日常から有給休暇が取得できる環境づくりが求められます。

退職前の有休消化

退職を届け出て、なおかつ有給休暇を完全消化することもあり得ます。この場合、会社は時季変更権を行使できるでしょうか。

まず、有給休暇の時季指定は、勤務日に対して行われます。
したがって、退職日以降は勤務日ではないのですから、有給休暇を使うことができません。
もしも、退職届を出したときから退職日までの勤務日が、すべて有給休暇で時季指定できたとしましょう。
この場合、会社側が時季変更権を行使すると、単なる有給休暇の取得拒否になり、労働基準法に違反します。

こんな相談もありました。

退職前は、15日間しか有休消化できないと言われています。本当でしょうか。

もちろん、それは違法です。予想ですが、会社としては普段から有給休暇を利用させておらず、ずっとたまっている状態なのでしょう。退職を1ヶ月前に届けさせると、すべて有給休暇で埋まってしまい、引き継ぎができなくなるので、そういうデタラメをまことしやかに広めているのです。

たしかに、引き継ぎは大切です。
でも、それならば会社は普段から有給休暇を取りやすくしておけば良いことではないでしょうか。

人手不足の解消と経営者はマネジメントを

有給休暇が取得しにくい理由は、他の労働者に対して負荷がかかるからです。
ここには2つの問題が隠れています。

1つ目は、そもそも人手不足だという点です。いまの労働者全員が今年度に有給休暇を完全消化したと仮定してみましょう。業務が止まるというのなら、有給休暇に対する対策をしていない証拠です。

2つ目は、経営者が作業量の管理や人材育成を怠けているという点です。有給休暇に限らず、本人や家族の病気などで休みが出るのは当然です。また、退職者が出てくるのも当然です。そのための準備をしていくのは経営者の仕事です。それを労働者にさせているのではないでしょうか。
部長などの肩書きを持つ人が組織をまとめていくのに頭を悩ませるのはわかります。しかし、一労働者が頭を悩ませるような組織は、そもそも組織になっていません。経営者は、組織をどうするのか全体を統括して、組織づくりに熱心になってもらわなくては困ります。

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