新潟労働局は8月3日、「新潟地方最低賃金審議会の意見に関する公示について」を公示しました。
10月1日からの新潟県最低賃金を時給803円にするというものです。
これは、最低賃金を時給のみで表すようになって以来、「過去最高の上げ幅」ではありますが、ワーキングプアを生み出す低水準であることに変わりありません。また、中小零細企業に対する支援策も明確ではありません。
そこで、にいがた青年ユニオンは8月6日、異議申出書を提出しました。

異議申出の本文は、以下の通りです:


地域別最低賃金は、最低賃金法(以下、最賃法という。)第9条2項に定めるように、労働者の生計費、賃金、通常の事業の賃金支払能力の3要素を考慮して定めるものとされ、昨今では「時々の事情」も考慮されています。
しかし、今回の答申額では、労働者の最低限の生計費を満たしません。
仮に、新たな最低賃金額で、フルタイム働いたとしても、年収200万円未満のワーキングプアとなります。新潟において労働者が最低限の生活を営むのに必要な賃金水準として、全国労働組合総連合が独自に試算した「最低生計費」は時給1,401円(2015年調査)であり、日本労働組合総連合会が独自に算出している「2017連合リビングウェイジ」では、時給950円(自家用車を保有しないケース)です。今回の答申額は、これらより大幅に低いことは明らかで、少なくない労働者が最低限度以下の生活を営むことになります。
確かに、政府の中小零細企業への支援は、およそ具体的効果的でなく、かつ、広報不足です。行政機関に限らず、民間大企業も下請け企業に対して無理な価格の引き下げを求めず、利益が出る公正な価格で取引すべきです。若者の人口流出、地方経済の衰退を止めるため、地域間格差の是正も急務とされています。おそらく、こうしたことを踏まえ、審議されたことと思います。
しかし、最賃法は、労働条件の改善、労働者の生活の安定(第1条)を確保することが目的です。実質的な金額審議を行う専門部会は非公開とされており、委員以外は今日現在、その審議過程を知ることができないので私どもに検証はできませんが、労働者の最低限度の生存権を保障しない最低賃金額を答申したという事実は、目安を意識するあまり、議論の過程に瑕疵があるのではないかと考えざるを得ません。
そこで、審議会を公開するもとで、憲法25条・27条、最賃法1条の趣旨に基づき、労働者のあるべき生計費について再調査し、最低賃金額を再審議するよう求めます。


ポイントとなるのは、多くの県民が議論の経過をすることができず、労使双方のフラストレーションがたまるばかりだという点です。
7月30日に本審が開かれて以降、議論の場は専門部会に移り、非公開で審議されました。マスコミが報道できない中、8月3日に結論だけが発表され、時給803円の数字だけがニュースになりました。

どうしてそうした結論が得られたのか、審議委員にしかわからないのです。
先の国会では働き方改革関連法案が審議されていましたが、公開の議論だからこそ、注目も浴び、問題点も浮き彫りになります。

いまの密室審議の元では、経営者は求人の時給を上げなくてはいけない理由がわかりませんし、最低賃金付近で働く労働者は生活苦で苦しみます。
議論を公開し、結論を出すべきではないでしょうか。

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