(再掲)「生活保護が恵まれている」と思う方へのお手紙

ツイッターアカウント「STOP!生活保護引き下げ」さん(@stophikisage)が、こんなことをつぶやいてくれました。

ツイートに含められたメディアのリンク先記事は、2013年2月に掲載した、生活保護バッシングする方へのお手紙です。

自民党政権が生活保護基準の段階的引き下げを決定。
それに対して、にいがた青年ユニオンは、実際に生活保護を利用している人、各種公的扶助制度を利用している人がそろって記者会見を行いました。
それが新聞記事になると、それに対してメールや電話で「バッシング」の意見が寄せられました。しかし、その多くは、誤解からなるものでした。
そこで、先ほどの「お手紙」となるわけです。

しかし、残念ながら今でも生活保護に対する偏見は解消されていません。
基準引き下げが実施されているにもかかわらず、です。
これでは、足の引っ張り合いであって、誰を利するというのでしょうか。

「お手紙」は更新しないアメブロの記事になっていましたので、ここに再度掲載したいと思います。
改めて、ご意見、「バッシング」などお待ちします。
私たちは、何度でも訴え続けて、誤解を解いてもらい、偏見をなくしたいと思います。

(以下、2013年2月「お手紙」再掲)


にいがた青年ユニオンは1月31日、生活保護やそれと連動して引き下がる公的扶助を利用している当事者らで記者会見を行いました。

(総理大臣宛の抗議書はこの「お手紙」の下に付け加えました。)

昨日の夕方のニュース、今朝の新聞記事に掲載されています。
その中でも、いま最も注目されてしまっているのは就学援助への影響です。
本当は、それだけではないのですが。。。

ひとまず、生活保護と就学援助に注目です。
新潟市では小中学生の4人に1人が利用しています。
その枠が下がるのですから、すさまじいことになります。
下村文科大臣は「影響が出ないように」と言いましたが、ウソです。
100%ウソです。
8月に下がり始めるものを、先延ばしは可能だとしても、あくまで先延ばし。
来年度には下げるのですから。
それに、生活保護世帯以外で就学援助を受けている世帯に対しては、基準も費目も支給額も自治体が決め、お金も自治体持ち。国は手出しできません。
だから100%ウソだと断言するのです。

さて、そんな中でも、「うちはもっと大変だ」というお問い合わせがあります。
実は、すでに想定済みなので、まだ来ていない質問もあるかもしれませんが、それについても答えたいと思います。

どんどんご質問はもちろん、「バッシング」のたぐいも寄せてください。連絡先は、最後に。

なお、ニュースや記事というのは、1時間以上の会見を15秒や3段落の範囲にまとめます。
たぶん、後日特集でも組まれれば状況は理解できると思いますが、その場合は、家族をすべて巻き込みますので、慎重に判断をすることとなります。

Q
夫婦と子ども3人の5人世帯で、月収と生活保護費があわせて26万円は高すぎではないか。
自分はもっと大変だ。

A
たぶん、あなたも所得だけ見れば生活保護受給基準を満たしているものと思われます。
ただし、生活保護を受給するには要件を満たさなければなりません。そのなかでも一番大きな要件が「貯蓄がゼロ」というものです。
たいがいの人は、大きな買い物-たとえば壊れた家電の買い換えや車検、タイヤの購入-を貯蓄でやりくりします。その月の収入だけでやりくりできる人は、まずいないはずです。
しかし、生活保護を受けている人は、特別な場合を除き、半月の生活費以上の貯蓄ができない状況になります。その状態でも、壊れた家電の買い換えはしなくてはなりません。なお、自家用車の使用について制限されていることはご承知の通りです。
また、積立型の生命保険も制限されます。不動産の所有も制限があります。年金もかけることはできません。つまり、保障という保障がないのです。
・・・国が保障してくれる? だとしたら、民間の保険会社はいらないはずです(笑) 民間の保険会社が必要だというのは、公的保険が貧弱だということを示しています。
これらの制限が嫌だから、生活保護を我慢するという人もいます。現にこのことは会見の際に、受給者が以前の私がそうだったと話をしています。なお、それについて引き下げがきまったことについてどう考えるかと問われ、その当事者は「我慢するかどうかは、その人の考え次第」とだけ答えています。

Q
手取りで13万の給料(ボーナスなし)しかないのに、生活保護が高すぎる。

A
夫婦そろって手取りで13万だとします。手取りで月の収入は26万円です。
これで最低条件だというのなら、これで子どもを2人育てられることを保障することが政治の責任です。
その夫婦が何人の子どもを授かるのかは、その夫婦が決めることですが、
ならして考えたときにそれを保障できるというのが政治なのです。
でなければ、人口が減少しますからね。

社長さん、「うちの会社はそんなもの」というのなら、松下幸之助さんの言葉を思い出してください。
あなたは従業員の家族の顔も見えていますか。

Q
働いている母子家庭です。でも生活保護を受けずに働いています。ダブルワークもすればいい。すごく大変なのは母子家庭です。医者にも行けません。

A
たぶん、その状況だとすると、あなたも、生活保護を受けられるはずです。
あなたが苦しむのは、それはあなたの人生ですから、どうするかは選択してください。
しかし、あなたの子どもが苦しんでいる声は、あなたには絶対に聞こえません。
なぜなら、子どもはお母さんに「苦しい」とは言えないからです。
苦しいと言えば、あなたが苦しむから、子どもは死んでも苦しいとは言いません。

また、記事のお母さんも、あなたと同じ事を考えていました。
どうしても生活保護を受ける気にならなかったのです。
でも、最後の最後、どうしようもならず、子どもを見たときに、受ける決心をしたのです。

お母さん、
あなた一人の人生がどうなるかは、それはご自身で決めてください。
ただ、お子さんの人生を振り回す権利は、親であろうと誰であろうとありません。
子どもの貧困は、解消しなくてはならないのです。
その子の能力の芽を摘むわけにはいきません。

Q
生活保護を受けている家庭の収支についてアドバイスしてはどうか。

A
すでに実施しています。
ホームページにも概要を掲載していますが、ポイントは減点法の家計簿とすることです。

Q
それでも高い。

A
まず、それぞれの家族には、それぞれの事情があることを考えてみてください。
こういうことを想像してみてください。

1.あなたの家族に、介護の必要なおばあちゃんを増やしてください。
お金以外にも、家族の負担が増えます。
時間的余裕が減りました。
段差で転んだり、最近は認知症が進んできたようです。
これからどうしようかと考えます。
さて、自分の仕事はどうなりますか。

2.あなたの家族に保育園に通っている子どもを増やしてください。
朝は決められた時間以上に早くには子どもを送ってやることはできません。
帰りも決められた時間通りでなければなりません。
保育園ですから。
なお、保育料はあなたの所得に応じて決まります。生活保護が基準となって。
それにしても雪が降ると大変です。
遠方の職場に通うとなったら、それはそれは。
子どもが熱を出したときは、昼間に職場に電話が来ます。
「子どもさんが熱が出たので、すぐに迎えに来てください。」
そのことをちょっと怖いあの上司に何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も頼んでみてください。

3.妻が精神疾患を抱えました。
妻が精神疾患を抱え、1ヶ月に1回は通院が必要です。
送り迎えをしてやらなくてはなりません。
精神科は予約が必要で、非常に待つ時間が長いです。
もちろん、平日です。
自分がいないとき、妻は自殺を図ったこともあります。
職場にいても、家で何かあったらと気が気でなりません。

4.高校生の子どもが万引きをしてしまいました。
ある日、電話が来ました。
「子どもさんが万引きしたので、引き取りに来てください。」
職場を急いで帰り、相手のお店に謝り、警察に謝り、高校にも連絡をします。
担任の先生が「いつお邪魔しましょうか?」 家庭訪問してきます。
「自宅謹慎になりましたので、1日1回反省文を書かせて、それにコメントを付けてください。」
子どものことです。大変です。ここでしっかりと悪いことは悪いと教えなければなりません。
ですが、みんな仕事があります。
あなたが休まなければなりません。
これから上司に電話してください。
「1週間休ませてください。」
「なんで1週間も?」
「・・・」

5.親戚と仲違いしてしまいました。
お金の貸し借りの関係で、親戚と仲違いになりました。
会社から異動命令が出ます。
引っ越しが必要です。
引っ越し先が決まりそうなとき、「連帯保証人を」。
連帯保証人となってくれるような人がいません。
さて。

そろそろ、あなたも疑問がわいてきたかもしれません。
それと生活保護の何の関係があるのか?

「ホームレスになる3法則」を紹介します。
・貯蓄がない
・頼りになる身内がいない
・何らかのトラブルが起きる
この3つが同時に成立するとホームレスになります。
もちろん、ホームレスになる直前に、生活保護を申請すればよいのですが。
あなたの身近にも、このようなトラブルの種は落ちています。
芽生えるかどうかは、あなたの運次第です。

さて、途中でも申し上げました。
ご質問や「バッシング」のたぐいは、どんどんお寄せください。

メールフォーム


内閣総理大臣 安倍晋三様

生活保護基準切り下げの政府予算案に対する抗議声明

にいがた青年ユニオンの組合員は、現在の雇用環境を反映し、不安定な就労環境にある。失業と就労を繰り返したり、就労条件が悪いため、生活保護を利用しなければならない状況に差し迫る場合がある。しかし、どうにもならなくなったときでも、最後のセーフティーネットである生活保護があるという安心感が、その人を支えることともなっている。

厚生労働相の諮問機関である社会保障審議会生活保護基準部会が1月16日、開催され、厚生労働省から報告書の案が示された。

報告書案には、下位10%の所得階層の消費実態と生活保護基準を比較する方法が突如持ち出された。しかし、生活保護を受けさせない「水際作戦」によって、餓死、孤立死する事件が発生するなど、低所得者水準は役所によってつくられたものであるから、その比較によって、生活保護水準を切り下げることは、餓死、孤立死させられた人の死から何も学ばないものであり、断固抗議する。

当然、報告書案への抗議の声は、全国の弁護士会、当事者やその支援者に広がった。一般の世帯にも不安をもたらしているし、原発事故で福島から避難を余儀なくされている家族からも、公的扶助が受けられなくなるのではないかと強い不安の声が寄せられている。また、審議の経過を踏まえない提案に、社会保障審議会生活保護基準部会の委員の中からも疑問の声が出されている。

しかし、政府は1月27日、生活扶助を3年かけて740億円を削減すると発表した。支給基準は8月から下がるとしているが、年度途中での減額は「参院選への影響」とも報じられており、政局がらみで国民の生活を左右することは許されない。

現在は、政策によって貧困の拡大を止めなければならない。貧困の連鎖をなんとしても食い止めなければならないときに、生活保護水準を切り下げれば、生活保護受給世帯の子どもたちは、よりいっそう貧困となり、貧困は連鎖する。

生活保護水準は、地方税非課税や就学援助、保育料などの基準ともなっており、低所得者全般に影響を与える。また、賃金水準の低下圧力ともなる。物価上昇、消費税増税が迫りくる中、ますます国内消費を押し下げる結果ともなるだろう。

そもそも、生活保護水準は、「健康で文化的な最低限度の生活」(憲法25条)の上でもなければ下でもない。その社会水準における基準であるから、軽々に上下するものではないのである。ましてや、国家財政の事情で上下してよいものではない。

一部報道にあるように、生活保護の不正受給は問題である。しかし、現実に起きていることは「水際作戦」による人の死であり、最低水準以下の生活を強いていることである。生活保護制度については、まだまだ誤解がつきまとっている。国は憲法25条の精神を生かし、制度の周知徹底をすべきだろう。個々人の事情や心情に配慮しない考え方は人命を軽視していると言わざるを得ない。

生活保護受給世帯は増加し続けているが、根本的な原因は、低賃金で不安定な雇用の広がりにある。企業がもうければ労働者の賃金も増加するというのは虚構だったことが明らかとなった。ここをそのままにして、生活保護世帯への対策や就労対策、医療対策を行っても何の対策にもならない。労働の規制強化こそ必要であって、労働者派遣法の改悪をはじめ、労働法制の規制緩和を推し進めてきた政府こそ反省すべきであり、私たちは労働法制の規制強化、最低賃金の抜本的引き上げなどの本質的な政策転換を要求する。

また、現在の国民年金は満額でも月額約6万5千円で、持ち家を持たずアパート代という削るに削れない支出のある高齢世帯は、生活保護に頼らなければならなくなる。低賃金で不安定な職しかない労働者は、将来必ずここに至る。国民年金は、最低生活水準を上回る制度設計にするよう求めるものである。

2013年1月31日

にいがた青年ユニオン

(再掲)「生活保護が恵まれている」と思う方へのお手紙

この記事が気に入ったらいいね!しよう

にいがた青年ユニオンの最新ニュース情報をお届けします


Twitterでも最新ニュース情報をお届けしています。

最新情報をチェックしよう!