日弁連から最低賃金額の大幅引き上げを求める声明が出た

日本弁護士連合会から、「最低賃金額の大幅な引上げを求める会長声明」が出ましたので、ちょっと見てみたいと思います。
今年の日本弁護士連合会の会長声明は、4月11日付。

労働者の生活費に達していない

昨年秋に、各都道府県で決定された最低賃金の全国加重平均額は時給848円です。声明では、この低さに注目しています。

時給848円という水準は、1日8時間、週40時間働いたとしても、月収約14万7000円、年収約177万円にしかならない。この金額では労働者が賃金だけで自らの生活を維持していくことは到底困難である。日本の最低賃金は先進諸外国の最低賃金と比較しても著しく低いことは明らかである。

人口の多い都市部が加重平均額を引き上げているのですが、まだ800円にも達していない地域もあります。新潟もその一つ。そういう地域の働く貧困層は、生活維持が非常に困難で、ましてや自立が困難だと思われます。

我が国の貧困と格差の拡大は深刻な事態となっている。我が国の2015年貧困率は15.6%であり、3年前の16.1%と比べやや改善したものの、貧困ラインは年収122万円のままで変動がない。女性や若者に限らず、全世代で貧困が深刻化している状況である。

最低賃金付近で働く人が、学生バイトや生計を補助するパートタイマーとは限らず、貧困の広がり、格差の拡大はデータが示しています。

地域間格差が地域をダメにする

地方の最低賃金を大幅に上げようとすると、地方の中小零細企業がつぶれると使用者側から強く反発が出ます。
地域経済が回っていない、そういう側面があることは事実ですが、最低賃金を低水準にすることで経済が回るようになるわけでもありません。

2017年の最低賃金は、最も低い高知県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県で時給737円、最も高い東京都で958円であり、221円もの開きがあった。そして、このような地域間格差は年々拡大している。地方では賃金が高い都市部での就労を求めて若者が地元を離れてしまう傾向が強く、労働力不足のために倒産する企業が相次いでいる。地域経済の活性化のためにも、最低賃金の地域間格差の縮小は喫緊の課題である。

元請けと下請けの力関係を是正させないと

重層下請け構造になっている業種では、元請け会社と下請け会社の力関係に目を向ける必要があるでしょう。

私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律や下請代金支払遅延等防止法をこれまで以上に積極的に運用し、中小企業とその取引先企業との間での公正な取引が確保されるようにする必要がある。

この声明では前後しますが、企業の圧倒的多数は中小零細企業であり、そこで働く労働者は7割ほどです。
特に、地方の地域経済を支える中小零細企業を育てる政策的な観点も必要でしょう。

労働者も使用者も決定過程を知らされるべき

地方最低賃金審議会の重要な金額審議のほとんどが非公開です。
労働者にとっては、自らの生活基盤を決める金額であり、使用者にとっては、罰則を持って強制される金額であるにもかかわらず、なぜその金額になったのか決定過程がブラックボックスであるということが問題です。

審議会における審議、議事録、配布資料の公開も重要である。鳥取地方最低賃金審議会においては審理の全面公開が実現しているが、何ら問題は生じていない。中央及び各地の審議会においても、審理の公開を積極的に推進すべきである。

地方審議会の様子をお知らせしていきます

2017年度の地方最賃がどのように決まっていったのか、最低賃金の大幅引き上げキャンペーン委員会が各都道府県の地方最低賃金審議会の議事録を調べています。

日弁連会長声明にもあったように、鳥取の場合は、すべて公開となっています。
こちらは、2017年7月10日に開かれた第504回鳥取地方最低賃金審議会の議事録です。
screenshot-2018.04.13-15-27-00 日弁連から最低賃金額の大幅引き上げを求める声明が出た
2017年度の初回の審議会で会長が選出された後、会長が発言したものです。
その後、全面公開が委員全員の承認を得て、通常通り、鳥取県最低賃金は決められていきます。

どうして、その金額なのか。労使双方にとって関心事です。
従来の慣行を変えることに勇気は必要かもしれませんが、審議を公開することに転換してもらいたいと思います。

日弁連から最低賃金額の大幅引き上げを求める声明が出た

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