最低賃金1000円を目標に掲げる労働組合が差別的で戦略がないと考える理由

最低賃金の大幅引き上げが求められています。
ところが、労働組合において、その目標額を1000円と設定しているところが少なくありません。
これは差別的であり、戦略的に誤っています。その理由を説明しましょう。

最低賃金の大幅引き上げが求められています

かつて最低賃金が関係する人は、主婦パートや学生アルバイトのような家計補助的な働き方をしていた人たちです。主たる生計を営むわけではないから低くてもよいといった理由で、最低賃金は低く抑えられてきたのです。
男性正社員は終身雇用で年功序列、女性はその妻として家計補助的なパートをしているというモデルが描かれていた昔のことです。

しかし、いまは違います。
非正規労働者が、労働者の4割を占めるようになり、終身雇用は一部を除き崩れ去っています。大企業でさえ、経営が傾いたり、外国企業によって買収される時代なのですから、最低賃金のあり方も見直さなければなりません。

最低賃金付近で生計を立てる人が増えてきて、最低賃金が低すぎることの問題が目に見えるようになってきました。かつてから問題がなかったわけではありません。たとえば、シングルマザーは、低い収入のもとで苦しめられていたのです。

問題が目に見えるようになって、気がついた以上、不正義を放置するべきではありません。いますぐ、大幅引き上げすべきです。

目標1000円は低すぎるその理由

現在の新潟県最低賃金は時給753円です。時給1000円を掲げると一見高そうに見えますが、そうではありません。現在が超低いのですから、目標として低すぎるです。その理由を述べましょう。

1000という数字は心理的障壁でしかない

1000円と簡単に言いますが、998円でもいいのでしょうし、1002円でもよいのでしょう。1000円という数字には、なんの根拠もありません。ただの心理的障壁です。
目標額とすべきは、科学的に調査を行い、その根拠に基づいた数字を設定すべきです。

経営者べったり政府と一緒の目標

現在の政権は、自民党と公明党が担っています。自民党という政党は、経営者べったりの政党です。経営者のための政治を行うための政党です。最近では、金額の書いていない白紙の領収書をやり取りするいい加減な政党でもあるようですが。
いま、その政権は、最低賃金の引き上げ目標を掲げています。それが「平均1000円」です。

経営者べったり政権が、目標1000円を掲げているときに、労働組合が同じ目標を掲げていていいわけがありません。

組合員ではないパートやアルバイトに対して差別的

時給1000円で、年間2000時間働いたとき、年収は200万円にしかなりません。
年間2000時間働くというのは、盆暮れ正月、ゴールデンウィークも関係なく、1年を通して週40時間びっちり働くような場合のものすごいときです。実際にはありえません。
しかも、それでいて、年収200万円。つまり、一人暮らしのワーキングプア水準です。

最低賃金付近で働く人の多くは、パートやアルバイトであり、労働組合に加入していない人たちです。

これを、わかりやすく翻訳しましょう。
「私は労働組合だ。労働組合に入っていない、パートやアルバイトの連中なんて、ワーキングプアのままでいいんだ。」
あるいは、こうです。
「ワーキングプアから脱出したかったら、365日24時間働いて、残業しまくればいいじゃないか。」
これでは、ブラック企業の創業者です。
また、こういう内容も含んでいます。
「結婚も子育てもあきらめろ。ずっと独身でいろ。」

最低賃金の目標額として、時給1000円を堂々と掲げるというのは、非常に差別的なのです。

戦略性がない

最低賃金額を1000円と掲げることは、労働組合として戦略性がありません。

組合員の時給はいくらでしょうか。
確かに、保育士や介護士といった低賃金の職種の労働組合員は、歓迎し、最賃引き上げに取り組む動機付けとなるでしょう。
しかし、労働組合を構成する主要な労働者はどうでしょうか。
「なんだ、自分たちは初任給でも時給1000円を超えているのだから、あんまり関係ないんだな。」
そう考えてしまうでしょう。これでは力が入りません。

つまり、目標額には、労働組合員の初任給を大幅に超える金額を設定しなければならないのです。

「通過点」ならわかるものの

とはいえ、最低賃金の金額は、労使の力関係で決まってくる部分があります。こちらが「大幅に上げろ」と言っても、彼らのような抵抗勢力は「そんなに上げられない」といってあがくことでしょう。
闘争において、戦列を整えるための妥協はつきものです。
そこで、もしも時給1000円という数字を上げるなら、あくまでも通過点とわかるようにすべきです。
「今日明日にでも1000円にすると言うなら、とりあえず妥協する。」
そんな感じです。

「いますぐ1000円、めざせ1500円」が出てきた

そんな中、労働組合の世界にも変化が起きてきました。
「いますぐ1000円、めざせ1500円」を掲げるところが出てきたのです。東京では、すでに時給1000円を超える求人がざらにあります。そのような中では、「1000円」の目標はインパクトが弱いでしょう。
これは歓迎すべき動きです。

私たちの目標は「なくせワーキングプア」

にいがた青年ユニオンは、最低賃金の大幅引き上げに取り組んできましたが、具体的数字を上げたことはありませんでした。常に言ってきたのは、「ワーキングプアをなくす水準でなければならない」ということです。
1500円を掲げる運動が出てきたことに触れましたが、それとて「通過点」でしかありません。最低賃金の金額は、労働者の最底辺の生活を保証するものです。福祉的性格を持つのですから、科学的根拠に基づき設定し、時代とともに上昇すべきものです。

現在の時点で具体的金額を設定するのなら、1500円は妥当でしょう。
夫婦二人が共稼ぎするとき、世帯年収600万円となります。これなら、だれでも、つまり昇給のない労働者であっても、子供二人を養育できます。これが日本社会の縮小を止めるギリギリラインです。

それにしても、最低賃金がなかなか上がりません。抵抗勢力は、目の前しか見ないのです。
一人の経営者にとって、最底辺の労働者の賃金が上がれば、人件費が増えますから、もうけが減ります。だから抵抗するのですが、少し長い目で見始めると、その人は転職しようとする動機が減るので、新人労働者に対する研修費が少なくなり、かつ労働者がスキルアップするので、トータルでもうけが増えます。また、すべての経営者が人件費を抑えようとすることによって、消費者の財布が縮小するため、国内景気が悪くなります。つまり、売上が落ちます。

最低賃金を引き上げれば、いまかかえる問題は、大きく改善します。
景気が良くなります。将来に不安もなくなります。ブラック企業もなくなります。残業する必要がなくなり、余暇時間も増えます。少子化も止められます。
まさに良いことづくしです。

これを実現するためには、あなたの力が必要です。ぜひ、にいがた青年ユニオンに加入して、協力してください。よろしくお願いします。お問い合わせは、下記メールフォームへのリンクからお願いします。

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最低賃金1000円を目標に掲げる労働組合が差別的で戦略がないと考える理由

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