会社との話し合いが第一という意味を通じて、もしあなたが労働組合を誤解していたらその誤解を解いてみたい

財界にいがた2015年5月号に、「労使紛争解決の駆け込み寺『にいがた青年ユニオン』の実像」と題する記事が3ページほど掲載されました。この記事の中ほどに「企業との話し合いを重視」と見出しをつけていただいた部分を中心に触れて、もしもあなたがユニオンについて誤解しているのならば、ここでその誤解を解きたいと考えています。

相手がブラック企業でもまずは話し合いが大事

記者の方から「ブラック企業とはどういうものですか」と問われましたので、感じていることをそのまま述べましたが、記事にもそのまま掲載されています。

ブラック企業の特徴と言えば、残業代を払わない(サービス残業が恒常的)、退職と採用を繰り返し労働者を使いつぶす、パワハラやセクハラが日常的などの特徴が挙げられますが、一言で言えば「労働者の人生そのものを吸収して栄養源にしている」ということです。だから、新しい人をどんどん雇います。釣った魚にえさはやらないを実践し、吸収し尽くした人を捨てていきます。

しかし、これは抽象的かもしれません。わかりやすく考えるには、こう考えるとよいでしょう。
あなたの家の近く住んでいる近所の人に、これはやらないだろうというようなこと。これをやり始めたら、ブラック企業です。
近くの家の人をすぐにクビにする。やりませんね。
近所の人にセクハラする。こんなことをやったら近所の学校は集団下校になるでしょうし、不審者として捕まります。

では、こんなブラック企業があったら、どうしたらよいでしょうか。
多くの人は、労働者が駆け込んだ労働組合()は、ブラック企業相手に大立ち回りをすると思っているのではないでしょうか。ときおり、相談メールで「うちの会社を取り締まってくれ」というものが舞い込みます。

確かに、そういう方針を持つユニオンもあるかもしれません。それはそれで、そのユニオンの方針です。年1回以上開催する定期大会で、その方針を決めている以上、それに従って行動しているはずです。
しかし、にいがた青年ユニオンは違います。なにはともあれ、団体交渉を申し入れ、話し合いが第一です。さきほど、近くに住んでいる近所の人にやらないことをやり始めたらブラック企業だと申し上げました。それは、こちらも同じです。相手の会社の話も聞かず、いきなり大立ち回りを始めるというのはよくないと考えています。
まず、会社側の言い分を聞く。これが最初です。
なお、記事には触れていませんが、この時点ではホームページ上で会社名を公表したりはしません。会社名を伏せる、あるいは、まったく記事にしないという状態にしています。

妥協点が見つからないことは、まれ

「ブラック企業と話し合いで解決するはずがない」と思う方も多いでしょう。
たしかに、話し合いで解決しない場合もありますが、それはごくごく少数です。記者の方からもやはり繰り返し尋ねられましたが、「妥協点が見つからない場合はほとんどない」というのは事実です。だから、妥協点が見つからない場合はどうするのかと聞かれるのならば、具体的な事例を数件挙げるだけとなります。
しかし、それらも最終的には何らかの形で決着していますので、それをここで蒸し返すことは避けたいと思います。
どうしてそんなことができるのか。
それは企業秘密です(てへぺろ)

認識のずれを埋めろ!

企業秘密というのは冗談として、基本的には、認識のずれを埋めるところから始まります。
経営者には経営者なりの苦しさがあるでしょう。
しかし、労働者には労働者なりの苦しさがあります。
そして、互いにその立場を理解していないことはよくあります。

たとえば、経営者の人に「ある労働者の賃金の手当というのがどうなっているか知っているか」と聞いても、誰もが答えられるわけではありません。労働者は、基本給、職能給、成果給など明細を見て一喜一憂するわけですが、経営者は賃金担当でない限り、人件費総額を見ています。
賃金に不満を持つ労働者が、経営者に「手当がカットされた」と不満をぶつけても、経営者の頭の中には「売り上げが下がってるから人件費総枠を減らすのはしょうがないよな」となります。
これは立場が違うから認識方法が異なるので、話が食い違うのです。

にいがた青年ユニオンの第一の役目は、団体交渉で、この認識のずれを埋めることです。

労働者は、賃金が下がることによって、住宅ローンの返済で困るかもしれません。子どもの学費で困るかもしれません。
一方、経営者は売り上げが下がっていることについて、なぜ下がっているのか原因がわからず思い悩んでいるかもしれません。

互いの思いに互いが共感できるところまで持っていけば最高なのですが、立場が違うのでまずそこまでは行きません。しかし、認識のずれを埋めることは重要です。ずれが埋まると、「お前の立場はわかるが、しかしこちらにも立場というものがある」というふうになります。ここからが労使交渉の本番です。

裏切られれば反撃するのは当然

とはいえ。
会社側が裏切り行為を働けば反撃を行うことは当然です。
この場合の裏切りとは、組合員に対するというよりは、新潟県民に対するものを指します。

「お前の立場はわかるが、しかしこちらにも立場というものがある」という経営者は、経営者にとって最善の行動を行っています。労働組合として容認はできませんが、理解は可能です。
しかし、そこからずれた行動を行うとき、にいがた青年ユニオンは、反撃します。

現在進行形の事案を紹介するのがよいでしょう。

記事:だるまやに再び残業代不払いで団体交渉申し入れ

先ほど、団体交渉を申し入れただけでは会社名を公表しないと書きましたが、ここには会社名を書いてあります。なぜなら、残業代不払いで何度も団体交渉を申し入れているためです。

過去解決した分についてどうだったか蒸し返すつもりはありません。誤解のないようにしていただきたいのですが、申し入れに対して、これまで誠実に対応し、未払い分をきちんと支払っていることについてや、残業代の不払いがなくなるように社内で改善を行う努力をしていることについてはプラスに評価してきました。
しかし、何度も同じ申し入れを行うということはどういうことでしょうか。それは、残業代を請求した人には支払い、そうでない人には支払わないという態度を繰り返したということです。しかも、残業代請求は、にいがた青年ユニオンが最初ではないと言います。

経営者として人件費を抑えたい欲求は理解できます。しかし、違法を放置していてはいけません。一度違法を指摘されたのですが、それそのものは、そういうことだって起きうるでしょうから、公表には踏み切りません。しかし、複数回はいただけません。
在職していて言い出しにくい人の不利益を放置することはできませんから、このような場合は会社名を出して宣伝する事態に発展します。

こちらはまだ社名が出ていませんが、次の(2)で会社名を掲載する予定です。

こちらは2社が関係します。メインとなる会社の担当役員が団体交渉に臨む対応は、プラスに評価しています。その方は、団体交渉のようなものは初めてだと述べましたが、きちんと正していくべきところは正していく対応を取ろうとしていますし、経営者としての考えを述べるところはきちんと述べています。
しかし、やはりこちらも「繰り返し」です。
詳細は、後日そちらの連載記事に譲りたいと思います。

恨みを晴らしたいんじゃなくて、未来を作りたい

一部の方には、ユニオンというと過激な印象があるのかもしれません。それは、ブラック企業への対抗のために必要だという人もいるでしょうし、それはやり過ぎだという人もいるでしょう。
かといって、労働組合というと、どういう印象でしょうか。

他の労働組合やユニオンがどのような方針かはわかりませんが、私たちは、いつも自分たちの頭で考えています。
その結果、にいがた青年ユニオンは、会社への恨みを晴らすわけでもないし、自分たちだけが得したいのではなくて、現在と未来の新潟県民みんなが幸せでなければいけないというふうになっているのです。

知ってほしいのは、労働組合と言っても、いろいろあるということです。

さて、新潟には、いろいろな人が暮らしています。しかし、今後はどうなるでしょう。いろいろな問題が山積しているように思います。
その課題を解決するためには、いろいろな人たちが協力しながら、一緒に暮らし続けられるようにすることが大事です。
そして、それが結局のところ、自分と自分の家族を守ることになるのではないでしょうか。

会社との話し合いが第一という意味を通じて、もしあなたが労働組合を誤解していたらその誤解を解いてみたい

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