求人詐欺に引っかからないためには求人広告を賢く見てユニオンの活用も

世の中には、求人広告があふれています。求人広告の目的は、人を集めるためであって、正しい労働条件を明示することではありません。ですから、上手に書かれていることが多いのです。悪質なものになると、明らかにだますような書き方がしてあります。それが求人詐欺です。
求人詐欺に引っかからないように、かしこく求人広告を見るようにしましょう。
今回は、具体的にひとつの求人広告を取り上げます。

「契約社員大募集」の求人広告があって

これは、つい最近入手した新潟中央郵便局の求人チラシです。
「契約社員大募集!!」と書いてあります。

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新潟において、「時給1,000円~」は魅力的に映るでしょう。
そして、「総支給額 約210,000円」と書いてあるので、まあまあの収入を確保することができます。

左下の方に目を移すと、勤務時間は日中で、一般的な会社という印象を受けます。
原付免許でもよいとのことですから、自家用車に乗っている人は応募することができます。
休日は「4週8休(シフト制)」ですから、そこそこ休みも取れそうです。「有給休暇有」とも。
交通費は支給され、1日の上限は2600円ですが、通常はそこまでの交通費は使わないでしょう。
社会保険もあるし、制服も貸してもらえるとのことです。

応募してみたくなったでしょうか。

小さく書かれている文字にこそ注目を

求人詐欺の場合は、不都合なことは書かないものですが、まともな求人広告の場合は、小さく書いてあるものです。ですから、小さく書いてあることほど注目すべきです。

一番気になるのは、実際の月収ではないでしょうか。ちょっと計算してみましょう。

右上は、勤続1年以下の月収の平均が書いてあります。
総支給額は、先ほど21万円と書きましたが、その下に「20時間(平均)の場合」と書かれています。つまり、残業した場合の総支給額なので、基本給は21万円よりも下であることがわかりますね。

ところで、残業と一言で言っても、4つの種類があります。

  • 時間外
  • 時間外+深夜
  • 休日
  • 休日+深夜

休日については、「4週8休」とあるので、休日労働はなさそうです。また、日中の仕事であることから考えれば、深夜残業になることは考えにくいでしょう。したがって、おそらくここでいう残業は、割増率25%の時間外労働のはずです。

つまり、このときの時間給は、

1000(円/時間)×25/100(%)=1250(円/時間)

これが月平均20時間だというのですから、

1250(円/時間)×20(時間)=25000円

つまり、あらかじめ2万5千円を含む金額となっていますので、総支給額から残業代を除くと、

210000-25000=185000

ちょっと待ってください。何か気がつくでしょうか。
残業代を除く総支給額は、18万5千円です。時給は1000円です。何時間働くことになるでしょうか。

185000(円)/1000(円/時間)=185(時間)

これだと月間185時間働くことになってしまいます。少し計算すればわかりますが、法定労働時間の範囲に収まりません。つまり、この計算は、何かおかしいことを気づかせてくれます。

可能性

求人広告は、労働条件明示書ではありませんから、すべての労働条件が記載されているわけではありません。したがって、何かが隠れている、あるいは、隠されています。
先ほどの計算の何が間違っているのでしょうか。いくつか可能性があります。3つだけ挙げましょう。

  • 時給が1000円よりも高い
  • 残業の割増率が高い
  • 残業代ではない何らかの手当がさらに混じっている

「勤続1年以下」であっても、「年2回昇給チャンス有」とのことですから、1年以内に時給の上がっている人が混じっているかもしれません。また、一般的な会社では、残業の割増率は労働基準法で定められた下限の25%を採用していると思いますが、もしかしたら労使協定でもっと上になっているかもしれません。
労働条件が上がっている分については、喜ばしいことです。

しかし、3つ目の理由だとしたら、ちょっと困ったことです。そこで考えられるのは、「備考」に書かれている「交通費支給」。もしかしたら、交通費も含めて、総支給額が書いてあるのかもしれません。確かに、「平均」だというのですし、「総支給額」だとも書いてありますので、ウソではありません。

それ以外にも逆転の発想で

それ以外にも、逆転の発想で見てみましょう。
休日に「有給休暇有」と書かれています。これはよいことですが、ところで、なぜわざわざ書いてあるのだろうかと疑ってみましょう。もしかしたら、その他の休暇がないのかもしれません。

昇給のチャンスも年2回あるそうですが、「昇給有」ではありません。「昇給チャンス有」と書かれていますので、昇給しない可能性だってあります。

賢く、用心深く、でも限界があるからユニオン

たまたま入手した郵便局の求人広告を使わせてもらいました。実際の労働条件について確認したわけではありませんから、もしも応募してみようという方は、労働条件明示書を見て、きちんと判断してください。

求人広告を見るポイントを解説しましたが、いかがだったでしょうか。それが「人を集めようとしている」「不都合なことは書かない」ということを念頭に、私たちは賢く、用心深く見るようにしましょう。
しかし、それにも限界というものがあります。さすがに日本郵便が求人詐欺をはたらくとは思えませんが、世の中にはそういう悪質な会社もあるのです。

運悪くブラック企業に入社してしまったときは、できるだけ早い段階でご相談ください。
使いつぶされる前に、にいがた青年ユニオンに加入して、対処してしまいましょう。事が起きるころには、身体的にも精神的にもすり減らされています。そうなる前に、ぜひお問い合わせください。

では、引き続き、ブラック企業に対してユニオンがどう対処するか見てみることにします。
→ ブラック企業対策はユニオン(労働組合)で

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