体を守ることが良い介護

こんな悩みです。

「施設で仕事をしている介護福祉士です。私が小柄なせいもあるのか、自分より大柄な利用者さんを車いすやベッドに移乗したりするのが苦手です。ついつい力まかせになってしまい、きまって腰のあたりがおかしくなります。福祉用具とかもっと使えばこんなことを悩むこともないと思うのですけど、職場の雰囲気からなかなか言い出せません。なんかいい方法はないでしょうか。」

介護技術とは

介護技術は日々進歩しています。また、介護技術は、体と体が直接接することだけではありません。福祉用具という機器を目的にそって使いこなすことも、その技術のうちです。機器をうまく使いこなすことによって、より安全で安心できる介護を行う。最近では介護福祉士の養成カリキュラムの中でも、当たり前にやるべきだと言われています。

ゆにぶろは以前、介護技術が遅れている!介護福祉士と被介護者の健康と安全のため改善すべきという記事をアップしています。どうして職場の中で福祉機器の活用が今ひとつ積極的にならないのか。今回はその理由の傾向、そして対策について少し考えます。

価値観がちがうから?

福祉先進国と呼ばれる国々のことを例にあげて「外国ではこうだから」と言っても、「なるほど」と興味は持たれるかもしれないけれど、「でも外国とは価値観がちがうからねぇ」と返される。こんな経験をしたことはありませんか。それは日本に住む私たちと外国に住む人ではちがうからということなのでしょうけれど、なんとなく腑に落ちるようで落ちない理屈です。価値観は、その人個人の持つ生活の歴史や宗教など、多種多様な背景がとても複雑に入り交じって決まるものです。そこで「価値観がちがうから」とたった一言で言われても、何だか分かったようで分からないのは当然ですし、「価値観」という言葉でただあいまいな雰囲気にされているいるだけにしかすぎません。日本はダメで外国が正しいなどとは言いませんが、今実際に困っている無理なことを無理なく解決したいのに、これでは問題の解決になりません。

コツをつかめばできる?

よくある話かもしれません。ベテランの人が「コツがあるから」と言ったりすることです。でもよく考えてみてください。コツってなんですか。人間の体、そしてその各部は個人個人で全くちがいます。例えば、腕や足の長さ、体重もちがいますし、それらが互いに影響し合って力が作用する仕方などもちがってきます。それなのに手や足の使い方がどうのと一口で言っても、結局はそれでもできる人とできない人が出てきます。そして、できる人にもできない人にも、その負担が解消されることはないのです。

体をしっかり守るのが安全・安心・合理的

ベッドと車いすの間などの移乗は下のような機器、リフトでもできます。

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知ってる方は当然知っているでしょうけれど、これなら人の手だけではないので、より一定の動作で行うことができます。より一定の動作で行うことができるということは、利用者さんはもちろん介護職員にとっても、安全かつ安心さが増すということです。その安全と安心は、利用者さんと介護職員の体にとってとても大切なことですし、いろいろな人の手に一定の動作を求める不安定さが無くなるわけですから、より合理的です。

価値観は物事の良し悪しを決める材料です。何が利用者さんと介護職員のために良いのか言えば、この方が良いです。一口にコツと言われる不安定な技術よりも、より一定の動作によってできるこの方法の方が安定しています。より安定して安全・安心を得られ、はるかに合理的なんです。

社会問題でもあるのです

介護職員の腰痛は社会問題です。労働問題で言うならば、それは労災=労働災害の対象となる可能性が十分あります。また、腰痛になりやすいのはとりわけ経験年数の浅い職員です。介護職員が大きく不足していることはすでに広く知られています。そこでこれからこの仕事をはじめる職員が、たちまち腰痛で健康をそこなってしまったら、その職員の人生そのものに悪い影響を与えますし、ひいてはこの業界全体にとっても、マイナスにはなってもプラスになることはありません。「やればできる」的な精神論からは抜け出して、「介護職員の不足→腰痛で仕事に悪影響→最悪な場合辞める→介護職員の不足がさらに加速→」という、負のスパイラルは断ち切らなければなりません。

下にこの問題に対する取り組みを紹介している記事のリンクを貼りましたので、お読みください。

「持ち上げない看護・介護を」 急務の腰痛予防、養成講座 – 神奈川新聞

労災「腰痛」防げ 13日から「抱え上げない介護」研修会 – 佐賀新聞

増加するヘルパーの労災 腰守る「抱え上げない」介護用具に期待 – 西日本新聞

職場の中で言い出せない時は

職場の中でなかなか言い出せないことはよくあります。そんな時は職場の外に仲間を作りましょう。そうすると、職場の中だけでしかできなかった話ができたり、全く知らなかった意見を聞くことができます。もしかしたら、職場の中は影響力の強い人や声の大きい人の意見に流されていて、あなたの意見はすみっこに追いやられているかもしれません。けれども、実はあなたの意見の方が良いなんてことはあるのです。利用者さんと介護職員がより生き生きとできるようにするために、少しがんばって外に仲間を作ってみませんか。

新潟介護クラフトユニオンには、介護技術に関する悩みにくわしい仲間がいます。介護の仕事は歴史が浅いですが、たくさんの知識や技術があって、混乱することもあるでしょう。それが意見の対立を生んで、ひどい時にはいじめやパワハラにおよぶなんてこともあります。もしもそんなことになったら私たちにとってはもちろん、利用者さんにとっても良いことは何もありません。

まずは相談からです。下のリンクをクリックしてぜひご相談ください。

新潟介護クラフトユニオン相談窓口

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体を守ることが良い介護

利用者さんはもちろん、職員の体を守ることが良い介護です

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