労働基準監督署と労働組合、どちらで解決すればいいか

このような相談がありました。

1日8時間を超えて働いているのですが、途中に1時間の休憩を取らせてくれません。人手不足なのです。

完全に労働基準法違反です。

労働基準法に違反すれば使用者は処罰される

労働基準法が「働き方改革関連法」で改悪されたとはいえ、まだボロボロではありませんし、労働条件の最低限度を強制的に定めていることに変わりはありません。
「強制的に定めている」の意味は2つです。

  • 使用者と労働者が合意した約束でも法違反なら上書きする。
  • 使用者が守らなければ罰則を与える。

実際、労働基準法の最後の章、第13章は「罰則」となっています。つまり、刑法が外に出てきて、くっついているわけです。
相談された件は、まさにこの罰則が与えられるケースです。

労働基準監督署に申告しても、あまり解決しない

労働基準法を守らせる機関は、労働基準監督署です。
近くの労働基準監督署に行ってみましょう。

そうすると、相談窓口に人が座っています。
たいがい、その人は「相談員」と呼ばれる人です。
休憩が取れないとか、人手が不足していて交代で休めないとか、いろいろなことを話すと、いろいろ質問されたり、逆に反問されたりします。これは、使用者側を想定して、指導したときにこう言い返されたら労基署側がどう言えばいいかということをシミュレーションしているのですが、初めて利用すると、ちょっとびっくりするかもしれません。
「頼りにしていったのに、なんか冷たかった。」
労働基準監督署を利用した人からこういう感想が漏れるときがあります。
それは、このためです。

労働基準監督署の看板をよく見てください。
最後に「署」ってありますよね。
そうです。
ここは、警察署。
ちょっと頭を切り換えましょう。

とにかく、労働基準法に違反しているのは会社であり、放置している上司です。

名前を出して申告しよう

あらかた話が終わるころ。
そもそも、今回の話はとても簡単な違反例です。
そう長い時間ではないでしょう。
あなたが休憩時間をとれていないことは、他の労働者の状況や作業状況を考慮に入れて、他の労働者と交代しながら作業できないのだとわかればいいだけのことですから。

すると、「申告」という段階に移ります。
監督官がいれば、相談員が監督官を連れてくるはずです。
その人が、司法警察官です。

あなたの会社、事業所の場所、電話番号、あなたの名前、住所、連絡先、申告したい内容を所定の用紙に書いてください。
この後、担当の監督官を決めて、会社に指導するわけですが、「誰だけかは知りませんが、休憩が取れないという相談がありまして」と会社に言ってもはぐらかされるし、あとで上司が「犯人捜し」をするのがオチというもの。
ここは、はっきり自分の氏名を会社に伝えてよいと言うべきです。

「だれそれさんから、休憩時間がとれないと申告がありました。」
そういって、監督官が会社の人事担当者から話を聞くことになります。
あなたのタイムカード、業務内容、日報、同じ事業所の労働者の状況などを点検することになります。

労働基準法においては、労働基準監督署に申告したことを理由にして不利益取り扱いをすることが違法となっています。

使用者は、前項の申告をしたことを理由として、労働者に対して解雇その他不利益な取扱をしてはならない。

労働基準法104条2項

もし、申告後にちょっとでもおかしなことがあったら、すぐに労働基準監督署に申告しましょう。
申告時に氏名を伏せるのは、得策ではありません。

しかし、直るのは一時的かも

労働基準法違反が認められると、労働基準監督署は会社に対して指導票というものを発効します。
そして、一定期間内に改善したかどうか報告を求めることになります。
賃金不払いなどであれば、払ったと確認が取れたら終了です。
事案によっては、数ヶ月ほど様子見します。

問題はここからです。
一定期間改善したとなると、改善したと見なされて、指導が終了します。
この時点で、会社内部の労使のパワーバランスが何も変わっていないことに注意してください。

警察官ににらまれたから、首をすくめただけの会社は、そのままおとなしくしているか、またぞろ悪い気を起こすかわからないのです。
いえ、どちらかといえば、もうけを出したい会社としては、悪い方向へまた歩み始めるのです。

労働基準監督署の指導には強制力がありますが、一時的なものに過ぎないということを押さえておきましょう。

労使のパワーバランスを変えるのは労働組合

にいがた青年ユニオンに加入した組合員が労働基準監督署を利用するケースはあります。
そうしたときに監督官と話をすることもあるのですが、ある監督官は「職場に労使のバランスが成り立っていないところで指導しても、一時的にしか直らなかったり、繰り返し指導する中で、ブラックとグレーの境界線を覚える会社も出てくる」と話してくれたことがありました。

そうです。
労働基準監督署から行政指導してもらう方法は、どうしても一過性ですし、最低限度を守らせるだけなので、最低限度のギリギリちょっと上で経営するような、「ほぼブラック企業」ができあがってしまいます。
これは、労働者から見て、よいことではありません。

そこで、にいがた青年ユニオンに加入して、職場に労働組合を立ち上げ、労使バランスを生み出すことをおすすめします。

あなたが学校に通っていたころ、体育祭とか文化祭とか、みんなで何かを成し遂げたことを覚えていないでしょうか。
受験競争で、同級生が競争相手なんていう訳のわからない思い出は捨ててほしいのですが、みんなで何かを成し遂げることは、途中で衝突もあれば、面倒くさいわ、時間はかかるわで、とても大変なことです。
でも、よい思い出になっているはずです。

みんなで何かを成し遂げる。
難しい言葉で言い換えれば、これを民主主義と言います。

上司が一人で全部のことを決めることは、独裁主義と言えます。
うまくいっているときは、うまくいっているかもしれませんが、まずいことが起きると、すぐにボロが出る体制です。
休憩時間を取らせず働かせるなどというのは、まさにこの悪い部分が出たといっていいでしょう。
休憩を取らせない分、人を雇わなくていいとか、残業代を払わなくていいとかしていますから、どこかでおいしい蜜を吸っているやつがいるはずですよね。
たぶん、その上司です。

労使のバランスを取り戻すことは、職場に民主主義を入れることです。

にいがた青年ユニオンに加入して、会社に交渉を持ちかけつつ、周りの労働者に加入を働きかけましょう。

加入を働きかけるには

「にいがた青年ユニオンに入ろうよ。」
たった一言ですが、その後の展開を理解していないと声にできませんね。

にいがた青年ユニオンに加入すると、労働組合員になります。
もう、ただの労働者ではありません。
憲法と労働組合法に基づいて、労働基本権という権利を行使できるようになります。

会社と対等な話し合いができます。
会社の悪行を宣伝することもできます。
同盟罷業などの方法を取ることもできます。

どこまでやるかやらないかは別にして、そうした圧力を持つことで、労使がようやく対等に近づきます。

とりあえずは、この2点を理解してもらいましょう。

  • 不満に思っていることを交渉で話して、改善を求められる。
  • 労働組合員として保護される。

だれしも不満はあるはずです。
周りの労働者をよく観察して、こんな不満を持っているのではないかなと想像して、その切り口で加入を促していくとよいでしょう。


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にいがた青年ユニオンは、労働者自らが真剣に運営する労働組合です。職場との関係、同僚との関係、生活上の心配事なども含めて、あなたと一緒になって考え、共に行動します。

相談は無料です。まずは、お気軽にご相談ください。

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