有給休暇の買い取りはできません

こんな状況です。

退職が決まりました。業務の引き継ぎのために、ある程度出社しなければなりませんが、そのためには有給休暇が全部消化できません。有給休暇の残りの日数分買い取ってもらうことはできないのでしょうか。

逆の立場になると、こんな話になります。

退職する労働者がいます。引き継ぎをきちんとするために休んでもらうと困りますが、有給休暇をすべて取りたいといいます。

有給休暇は休む権利

有給休暇は、労働者にとって休むことのできる権利です。収入が減ることに気兼ねすることなく、リフレッシュに使うことができます。

取得する理由は、風邪、冠婚葬祭、旅行などに限らず、単に休みたいからなど、どんな理由でも構いません。

買取は禁止

労働者が休む権利なので、使用者がそれを買い取ることはできません。

退職前は例外

有給休暇は、仕事のある日に休むことのできる権利です。

基本は、その中でどの日でも有給休暇を使うことができます。

ただしごく稀に、会社の事業が正常に回らなくなるような状況の場合に、会社は請求された日ではなく別の勤務のある日に変更することができます。

会社が、退職前に有給休暇をまとめて消化したいと請求されたとき、この時期を変更することができるかどうかですが、変更しなければならない理由があるかどうかは別にして、退職日までの間の別の勤務日に有給休暇を移すことができなくなっています。

このような状況において、退職日までに有給休暇を消化してもなお、消化しきれない日数分を会社側が支払うことは可能です。

ただし、これは会社側の義務ではありません。

基本として、労働者としては休みを取って、次の道のために時間を取った方がいいでしょう。引き継ぎについて、あまり重く考える必要はありません。本来であれば、業務改善の一環として普段から行うべきことだからです。あなたの責任ではありません。

有給休暇はこまめにリフレッシュのために取得しよう

有給休暇の取得率がまだまだ低いのですが、これはもともとの賃金が低く、病気等で欠勤しなければならない状況になると困るので、ある程度の有給休暇を残すからです。

基本的に、有給休暇はリフレッシュするために取得する休暇です。

病気のときの休暇はどうするか、そうした休暇を取得しても生活ができるかどうか、日常から会社と話し合いしましょう。

労働組合は、そのためのツールです。もし会社に労働組合がなければ、すぐに作ることができます。もしくは、レインボーユニオンのような個人加盟の労働組合に加入して行動することもできます。