過密労働、過労死、サービス残業を改善させるには

かつて正社員は、年功序列賃金、終身雇用の安定と引き替えに、過密労働、サービス残業をいとわない傾向がありました。

そのような異常な働かせ方に加えて、成果型賃金制度が導入されるようになると、果てしない長時間労働へと追い込まれました。脳や心臓の血管を詰まらせるなどして、ある日突然亡くなります。これが過労死です。

また、過労死に至らないにしても、精神的に病んでしまい、自ら死を選ぶこともあります。これが過労自死です。

過労死や過労自死は、労働災害の対象となり社会的な関心を集めるようになりました。

サービス残業

本来の労働時間より長く働いているのに、残業代を支払わない状態が、サービス残業です。タイムカードを正確につけない、固定残業代を支払い、正確に精算しないなどの方法があります。自宅に持ち帰って仕事をすることは、ふろしき残業などとも呼ばれます。

サービス残業は、使用者が残業代を適切に支払わないことはもとより、労働時間を適切に把握していないので健康管理していません。

そのため、過労死や過労自死の原因となります。

過労死

過労死は、過重な業務を背景にして、脳血管疾患や虚血性心疾患を発症して死亡した場合です。

1ヶ月で100時間以上の時間外労働をした場合や、2~6ヶ月間で平均80時間以上の時間外労働をした場合など、過労は蓄積して現れます。

過労自死

過労死と同じような労働環境において、精神疾患をかかえて、自ら命を絶ってしまうケースが、過労自死です。

居酒屋大手の和民で働いていた労働者が過労自死したのは会社側責任だとして、遺族らが運営会社ワタミと当時の社長などに損害賠償を求めた事件は、とても有名です。この事件は、遺族側の意向に全面的に沿った和解となりましたが、このような悲劇を繰り返させないことが大切です。

精神疾患による労働災害の認定

業務中にけがをすれば労働災害とわかりやすいのですが、過労の蓄積による精神疾患は、労働災害とはわかりにくく、また、労働災害の手続きもわかりにくく、泣き寝入りしている人も少なくありません。

過密労働が原因と考えられる精神疾患は、労働災害の手続きを取りましょう。精神疾患の発症が、(1)過重な業務があったこと、(2)業務外の生活環境に起因しないこと、(3)子どものころに精神疾患を発症するなど、生まれつきの性格ではないこと、の3つを確認していくことになります。

労働基準監督署に行き、労働災害の申請書類をもらってきてください。何をどう書くべきかは窓口で詳しく教えてもらいましょう。

悲劇を防ぐために改善させよう

あまりにも過重労働が当たり前の会社になると、過労死のニュース記事を見ても驚かないようになるばかりか、長時間労働することを誇るようにすらなります。

しかし、それは、たまたま過労死や過労自死する人がいまいないだけで、明日そうなる人がいないとも限りません。

過密労働は、長く働いているわけですから、生産性は落ちます。効率が落ちるのに、会社は時間割増を払います。過労死などがひとたび起きればブラック企業のレッテルははがれません。会社にとってマイナスです。

会社に労働組合がないかもしれません。あっても、加入できなかったり、改善してくれないかもしれません。そういうときは、地域にある労働組合に加入しましょう。

にいがた青年ユニオンもそうした地域労働組合です。まず、あなたの状況を他の組合員と共有して、何からできるのか一歩ずつ進めましょう。

いきなり全面的に解決するのではなく、一歩ずつ進めることが大切です。

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にいがた青年ユニオンとレインボーユニオン

2008年に誕生した労働組合。労働条件だけでなく、暮らしや健康問題にも強い関心を持つ。どこに住んでいても、どのような働き方でも加入できることから、2020年に「レインボーユニオン」に改名。にいがた青年ユニオンは、レインボーユニオンの新潟県支部になる。

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