新潟労働局に最低賃金の遅延改定に関して要請

レインボーユニオンは10月30日、新潟労働局を訪れて最低賃金の発効日が全国的に遅れていることや、異常な物価高騰に対応するために複数回の改定を求める要請を行いました。えちごユニオン、新潟県労連との共同行動です。

新潟は10月に985円から1050円に変わりましたが、群馬はいまだに985円のままです。群馬は発効日が来年3月1日と指定されており、それを過ぎなければ1063円になりません。そのため、群馬とはしばらくの間、65円の格差がつくことになります。 最低賃金は労働者を保護するための国の制度です。目安にならって都道府県ごとに金額を決めていますが、改定する日が半年も違うということはあまりにもおかしなことです。 改正が半年先に伸びれば、それだけ労働者の苦しさが続くことになります。 金額も、引上げ時期も全国どこでもいっしょにすることでしか解消できません。


2025年最低賃金改定に関する要請書

●  要請主旨  ●

 最低賃金法第一条は「賃金の低廉な労働者について、賃金の最低額を保障することにより、労働条件の改善を図る」としています。また、最低賃金法第14条2項では、「最低賃金改定による発効日は公示の日から起算して30日を経過した日」と定めています。

 この最低賃金法がめざしていることは「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」(生存権)の保障する立場から一刻も早い賃金改善をさせること求めていると考えます。

 しかし、2025年最低賃金改定では、秋田県が3月31日、群馬県が3月1日の発効日とするなど、「公示の日から起算して30日を経過した日」から大幅に超えた発効日の決定となっています。この両県以外でも、例年に比べ「発効の遅延・先送り」が多くみられます。そして、その理由にある「準備期間」には合理的な根拠が示されておらず、労働者・国民の中に、労働行政や最低賃金制度への不信感が強くなっています。

 また「発効日の期日指定」が認められているにしても、「半年の先送り」は、あまりにも行き過ぎであり、これまでの発効日のあり方すれば、労働者・国民への国による「背信行為」だと強く抗議します。

 私たちは、このような事態が繰り返されないこと、さらに、この根本的な原因である地域別最低賃金制度を即時廃止し、全国一律最低賃金制度の早期実現を強く求めます。

 以上をふまえ、以下の三点について要請します。

●  要請事項  ●

  1. 労働者の生存権保障を第一目的とする最低賃金法に鑑み、その発効日を「公示の日から起算して30日を経過した日」とする最低賃金法第14条2項を遵守してください。
  2. 2025年度の発効日を「公示の日から起算して30日を経過した日」から「遅延・先送り」を決定した法的根拠ならびに見解を示してください。
  3. 物価高騰が労働者・国民の生活を直撃し、厳しい状況が続いています。厚生労働省の毎月勤労統計調査でも実質賃金がマイナスが続いていることで明らかです。しかし、この事態に国は、賃金の低廉な労働者の生活の下支えとなる「最低賃金」の見直し・改定を年一回に留めています。

 そもそも最低賃金法は、その年間の改定回数を定めていません。そして、最低賃金法は「賃金の最低額を保障することにより、労働条件の改善を図る」ことを目的としており、改定を「年1回」と限らないことは、不測の事態を想定してのことだと考えます。

 現行、最低賃金改定回数を年一回としていることについて見解を示してください。

※参考:10月発効は20都道府県(昨年46都道府県)、11月13府県(昨年1県)、12月8県、26年・1月4県、3月2県

以上

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