レジでミスをしたら天引きすると言われた

コンビニでバイトを始めた高校生からの相談です。

初めてアルバイトを始めました。働き始めて1週間ほどたって、4千円合わなかったのです。そうしたら店長から「給料から天引きしておく」と言われました。今月の給料は6千円の予定なのですが。

ミスがあるのは当たり前

レジを担当していれば、ミスがあって合わないというのは、長く勤めた人でも起きることです。使用者は、人間を雇っている限り、ミスが生じることを覚悟しなくてはなりません。その上で、どうしたらもうけが上がるのか考えるのが使用者の役務です。

働き始めた人が、たくさんミスをすることも当然です。そのため、よく見る光景ですが、胸に若葉マークをつけて、先輩の労働者が後ろについて研修しているのです。その研修中にミスが生じても、チェックされます。そして、練習することで、徐々にミスが減ります。研修が不十分なのに、レジを一人で任せれば、ミスが増えることはこれまた当然です。

使用者は、そうした人為的なミスが嫌なら、「無人コンビニ」にすればいいのです。客が商品を持って行けば、銀行から引き落とされるのですから、間違いは起きません。もしくは、現金を扱わない「キャッシュレスコンビニ」にする方法もあります。設備投資は必要かもしれませんが、労働者によるミスはありません。

減給は適切ではない

労働者に大きな非があると、就業規則に基づいて懲戒処分されることがあります。その中に、「減給」というものがあるかもしれません。賃金を一部差し引くことで、処分するものです。

しかし、今回のように、故意ではなく、ミスがあってもやむを得ない状況では、減給が適切だとは思えません。ありえるとしたら、「訓戒」(注意をすること)あたりではないでしょうか。

なお、減給できる金額には、法律で定められた上限額があります。

天引きはできない

税、社会保険料は、大概の人が賃金から控除されています。

本来、賃金は、使用者が労働者に対して全額を支払う必要があります。先ほどの税金等は、その例外です。また、労使協定を結んだ上で、寮費や労働組合費を控除することもあります。

しかし、今回のようなケースでは、天引きすることはできません。

賠償する必要はない

では、全額払われた上で、「店に損害が出たから賠償しろ」と言われたら、それに応じなければならないでしょうか。

最初に触れたように、労働者にミスがあることは人間を雇っている以上、それは当然のこととして使用者は受け止めなければなりません。もうけをあげるために必要な損失です。

労働者に大きな非がなければ、賠償に応じる必要はありません。はっきり断りましょう。

だいたい、そのミスがマイナスではなく、プラスだったらどうでしょう。レジで多くなった金額を労働者がもらえるでしょうか。そんなことはありませんね。

しかし、一人で対応することは、大変です。そういうときは、労働組合に相談しましょう。私たちは、レインボーユニオンという労働組合です。会社単位で作られているのではなく、どの会社に勤めていても、パートやアルバイトでも加入できる労働組合です。お近くにも、そうした労働組合があるはずです。まず、検索してみてください。

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にいがた青年ユニオンとレインボーユニオン

2008年に誕生した労働組合。労働条件だけでなく、暮らしや健康問題にも強い関心を持つ。どこに住んでいても、どのような働き方でも加入できることから、2020年に「レインボーユニオン」に改名。にいがた青年ユニオンは、レインボーユニオンの新潟県支部になる。

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