おいしい料理を作るスタッフの笑顔の裏側で、居酒屋、カフェ、レストランなど飲食業界には長時間労働がはびこり、低賃金のパートやアルバイトもたくさん働いています。レインボーユニオンは、みんなから喜ばれるお店にするために活動しています。
最近では「ブラックバイト」も
最近は、「ブラックバイト」も広がっています。ブラックバイトとは、学生バイトの間で広がるひどい働かせ方のことです。違法に働かせる、学業との両立を妨げる、過大なノルマを課すなどの特徴があります。飲食店は、学生バイトが多数働いており、ブラックバイトではないかどうか、チェックしましょう。
よくある相談例
長時間労働
飲食店は、正社員が極端に少なく、パートやアルバイトが多く雇われています。しかし、パートやアルバイトだからといって、責任が軽いわけではありません。
正社員の場合は、将来自分の店舗を持ちたいという夢を持つ人もいるため、そのような人以外は不満を持ちつつ、長時間働くことを余儀なくされます。時に、過労で健康を損ないます。長時間労働の割には、低賃金の場合も見受けられます。
一方、さまざまな事情から、そうでなく働いている人もいます。
かたや、労働時間に関係なく働く人がいて、かたや、家族生活との両立を図りながら働く人がいたら何が起きるでしょうか。
将来にどんな夢を持つかは自由ですが、法律は、労働契約をきちんと制限しています。そのことを忘れてはなりません。
休暇や割増
パートやアルバイトは、シフト制で働いていますが、有給休暇がほとんど取れません。時給は一般に低めです。パートといいながら、日によってフルタイムや法外残業も求められます。時間外割増や深夜割増さえない悪質なケースもあります。
- 有給休暇があると聞いたのですが、シフトが変えられただけでした。
パートやアルバイトでも労働者なのですから、有給休暇は、最低でも労働基準法で定めた日数が発生します。取得拒否は、労働基準法違反です。もちろん、有休取得を理由にした不利益取り扱いも違法です。ただ単に「忙しいから有休はダメ」というのは違法です。
- 途中2時間の休憩があって、1日10時間働いています。週1日の割合で休日があります。しかし、残業代はもらったことがありません。あるとき、あまりに仕事が多いので「これは残業じゃないんですか」と言ったら、「この業界でそんなことを言っていたら、やってられない」と言われました。
- どれだけ残業しても、固定残業代だけで、追加の残業代を支払ってもらったことはありません。
これは、残業代不払いのケースです。残業割増は、どんな業界であれ支払いが必要です。そうでなくては、長時間労働のために過労死する労働者が続出します。それに、残業代の未払いは法律違反。「賃金泥棒」です。そんな泥棒は、いずれお客からそっぽを向かれますから、いい料理店を運営できるわけがありません。
これに類似するケースとしては、変形労働時間制を用いたり、固定残業代制度を使っていることがあります。しかし、この制度の運用は大変難しく、残業代未払いとなっている疑いがあります。
辞めさせてくれない
- 仕事がきついので辞めたいのですが、辞めさせてくれません。「代わりが入るまで辞めさせない」「求人に金がかかるからその分を支払え」と言われました。
ブラックバイトによくある相談例です。一定期間前もって退職の意思表示をすれば、まったく問題なく辞めることができます。有期契約や月給制などでなければ、法的には2週間前に届け出れば退職できます。不当な要求に応じる必要はありません。もちろん、最後の賃金もきちんと支払ってもらいましょう。賃金不払いは犯罪です。
最後の賃金だけ払ってくれない
最後の賃金だけ手渡しにする、勝手に減給するなどして、賃金を支払わないようにして、見せしめにするケースがあります。当然、違法です。
手待ち時間の賃金不払い
- お店が暇だと、「これから休憩」と言われて、その分の賃金は払われません。これでもよいのですか?
それは休憩時間ではなく、手待ち時間です。なぜなら、お客が入店してきたら、すぐに労働に戻らなければならないからです。もちろん、賃金を払ってもらわなければなりません。
働きやすい環境を一緒につくりましょう
飲食店で、はたらく労働者の過酷な労働条件を改善し、人間らしく生きられるよう活動します。まず、何が違法か学び、労働法を活かしましょう。
- 過労死を招く長時間過密労働をなくします。
- 違法なサービス残業を根絶します。
- 有給休暇の取得拒否をなくします。
- 年齢や性別による差別取り扱いをなくします。