講師や家庭教師など教育産業で働く皆さんの労働相談を受け付けています。
高学歴化を反映して、塾や予備校、家庭教師、英会話学校、各種専門学校の需要は高まっています。しかし、教育関連産業で働く人の労働組合組織率は低く、労働条件が守られていないばかりか、違法状態がまかり通っているケースも。ブラックバイトの一つとしても知られています。
ちょっとでも不安があれば、お気軽にご相談ください。
こんな悩みはありませんか
- 塾講師です。研修に出るように言われますが報酬がありません。不満を言うと「聖職なのに」と言われます。
業務遂行上、研修は必要なことです。また、それでなければ塾の評判も下がるでしょう。しかし、業務なのですから、無報酬で研修に出席させるのは間違っています。
また、会社が「あなたは聖職だ」というのなら、生徒をよくわかっているあなたに、それだけの権限を与えているでしょうか。一人ひとり異なる個性を持った生徒を教えるために必要なことをバックアップすることは放棄して、あなたへの報酬のことになると「聖職」と呼ぶのは、二重基準です。
- 塾講師です。受講生が休んだときには何も保証がありません。
会社の都合で休まされたので、最低でも休業手当の支払いがなければ労働基準法に違反します。
ポイント どんな職種であろうと労働基準法が適用されます。授業開始前に会議に出させられれば、それは労働時間です。報告書の作成やカリキュラム作成を始業・終業時刻前後に行っていれば、それも労働時間です。
当然、最低賃金額以上の賃金、法定時間外や深夜、休日ならば割増をつけてを支払ってもらいましょう。
受講生が休んだときは、最低でも休業手当の支払いが必要です。
それ以外でも、「後任が決まらないうちに退職すると損害賠償を請求する」、「就職活動等の事情を考慮せずにシフトに入れる」、「特別授業の出勤に協力的でない場合は解雇」、「授業時間以外に賃金を支払わない(いわゆる「コマ給」)」などがあります。契約内容は無効ですが、法律を知らないと萎縮してしまう内容です。
厚生労働省は2015年3月末、塾業界の不適切な労務管理(下記の例)について学習塾業界に改善要請を出しています。
- 授業開始20分前に講師を出勤させ会議をしていたのに、賃金を支払わない。
- 報告書やカリキュラム作成を授業の前後にさせていたのに、労働時間として認めない。
- 90分の事務作業で1200円(時給換算で800円)しか支払わず、その県の最低賃金を下回った。
- 夏期講習などで1コマ90分の授業を1日7コマ(計10時間半)させ、必要な手続きをせず1日の法定労働時間(8時間)を超えた。
- 塾講師です。会社から教材を買わせるノルマがあり、苦痛です。
どれぐらいの理解度なのか、家庭の経済状況はどうかなど、生徒の状況はさまざまです。もっともよくわかっているのは、あなたでしょう。しかし、それを無視して生徒を一律に扱おうとする会社がおかしいのです。レインボーユニオンに加入して、その理不尽さを明らかにしましょう。
- 家庭教師をしています。「個人事業主だから」と言われ、社会保険にも入れません。
会社の主張は、個人事業主であるあなたと「請負契約」(委託契約とも呼びます)を結んでいるというもので、「雇用契約」ではないと言っているのです。雇用契約の場合は、支配従属関係が強く、何の規制もないと労働者は奴隷的に扱われるため、労働者を保護する法律があります。しかし、会社間で結ばれる請負契約には、規制らしい規制はほとんどありません。
元請け会社は、形式的な請負契約を結ぶことで労働保険や社会保険の負担を負わないことはもちろんのこと、突然の契約解除をすることさえできてしまいます。女性の場合は、産前産後休暇や育児休暇さえなく、家庭生活との両立を阻害することはあきらかです。
実際には、どのようにして業務が行われているかで判断することとなります。支配従属関係が強ければ、労働者制が強いと判断されるでしょう。
さらに、労働組合法上の労働者は、雇用契約を結んでいる労働者だけではなく、広い範囲をカバーしています。したがって、同じような悩みを抱えている人たちと一緒に元請け会社と団体交渉することが可能です。
ポイント 請負は「外注」です。本当に相手の会社と自分が請負契約を結んでいるのであれば、あなたにはその仕事を断る権利もあるし、単価を決める権利もあります。自分の仕事の最終的な「納品の結果」は求められますが、途中の作業をどのように行うか、会社にはまったく無関係です。自分がさらに業務の一部を下請けに出すことすらできるのです。
その他にもこんなことで悩んでいませんか
- 突然雇い止めされた。
- 社会保険に入れてくれない。
- 残業代を払ってくれない。会社からは「研修だ」といわれている。
- 「生徒から評判が悪いから、あなたはクビだ」といわれた。
- 教材を個人負担させられる。
- 不満を言うと「仕事ができないくせに」と言われる。
5年で雇い止め?それ違法です!
期間の定めのある有期契約で労働契約を結んでいる場合、「5年たったら更新しない」と言われていませんか。それは労働契約法の悪用で、違法です。
非正規労働者で作る労働組合が、全国で撤回させています。
首都圏大学非常勤講師組合教師派遣の是正を!STOP偽装請負
英語を教える外国語指導助手(ALT)と日本人教員が、協力して授業のできない状態に置かれていることがあります。教育委員会がALTを直接雇用せず、派遣会社に委託しているためです。現実には、協力して授業をしないことはできないことから、少なくない現場では混乱がありました。
しかも、教育委員会と派遣会社の契約は、形式上、請負契約をとるため、突然の契約解除によってALTは突然職場を去らなくてはならない状態となります。
実際に、2009年度末、新潟県立高校等に派遣されていたALTの17名は、あと数日で4月になるという時期に突然、職場を追われました。レインボーユニオンでは、派遣法違反の偽装請負をなくし、正常な教育活動のできるよう是正することを求めました。結果的に、派遣会社への委託は中止されました。
全国的にも、教師の派遣が問題となっています。労働者派遣は、一時的、臨時的な業務に限るというのが本旨です。基幹的な労働者が派遣労働者へ置き換わってしまえば、労働者の生活が不安定になることはもちろん、継続的な取り組みができなかったり、産業そのものがいずれ衰退したりします。
高学歴ワーキングプア
高学歴であるにもかかわらず、収入が少なく、塾などでアルバイトを掛け持ちしながら研究を続ける「高学歴ワーキングプア」の実態は深刻です。
大学院生の中から「学費を払えない」、「書籍が購入できない」、「学会に参加できない」、「アルバイトで時間がない」、「奨学金で多額の借金を負った上、就職口が保証されていない」と不安を訴える声が出ています。
奨学金返済に関するご相談を受け付けています。