使命感につけいり休憩させないことをどう正すか

保育士の処遇が低いことは知られるようになってきました。

新聞にこのような記事が載っています。

「1時間のはずの休憩が15分しかありません。残りの時間は園児を見守ったり、掃除したりしています…」。福岡市の西日本新聞「あなたの特命取材班」に、女性保育士から投稿が寄せられた。取材班には「保育所は休憩が無い職場だ」との同様の投稿が相次いでいる。休憩が取れなければ、労働基準法違反の可能性がある。人手不足と言われる保育現場は、労働者としての権利が二の次となり、保育士の使命感に依存する課題が残っている。

法を守るべきは使用者

人手が少なく、子どもたちがいる状態だと、休憩を取るという当たり前の労働者の権利より、子どもたちをなんとかしなくてはと思うのは、人情かもしれません。違法とわかっていても、目の前のことを優先してしまうのです。

しかし、保育の仕事は、人情で行うものではありません。責任ある仕事を労働者として組織的に行っています。誰かが休んでいれば誰かは仕事していると思いますが、その時間を管理し、組織的に業務を遂行させることは、使用者の仕事です。

そもそも、労働法は、労働者が守るものではなく、使用者が守るべきものです。人手不足のまま、自分の仕事も果たさず、労働者である保育士を違法な働かせ方のままにしておくことは違法であり、正されなければなりません。

そんな職場で、子どもたちが落ち着いていられるわけがありません。

労働組合をつくろう

こういうことは、一人では解決できません。労働基準監督署に申告しても、その場限りの改善にしかなりません。原点は、人手不足でも放置する使用者の問題であって、これは、労働基準監督署には直せないものです。

労働組合を作って、交渉します。そうすれば、改善します。

まず、責任感の強い人に話をしてみましょう。きっと、いまの質の仕事のままでいいとは思っていません。一方、個人的に頑張ってでもなんとかしないとと思っていることでしょう。自分の経験談を中心に、その人が同じようなことで悩んだことがなかったか聞いてみてください。

いまの状況がベストだとは、誰も思っていません。

問題は、それを解決するための目標と、実際に何ができるのかを探すことにあります。

自分たちで労働組合をつくることもできますが、地域で活動している労働組合に加入する方法もあります。私たちレインボーユニオンはそうした労働組合の一つです。お住まいの地域にもこうした活動をしている労働組合はあるはずです。

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にいがた青年ユニオンとレインボーユニオン

2008年に誕生した労働組合。労働条件だけでなく、暮らしや健康問題にも強い関心を持つ。どこに住んでいても、どのような働き方でも加入できることから、2020年に「レインボーユニオン」に改名。にいがた青年ユニオンは、レインボーユニオンの新潟県支部になる。

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