
弁当の仕出し販売を行う「ユニオン・ランチ」(本社・富山市)の労働者が「全国一般ランチユニオン」を立ち上げました。レインボーユニオンの分会です。
ユニオン・ランチは、弁当の仕出しや社内食堂の請負をしていましたが、資金繰りが悪化して4月30日破産しました。負債総額は5億7900万円。そのうち、金融債務が3億9千万円と報じられています。金融債務がこれだけ多いと、賃金や退職員の支払いがない可能性が高くなります。
そこで、私たちは、労働組合として、労働債権の確保のために努力しています。
2025年5月12日
組合相談会・結成大会を富山県民会館で開催する。組合員6名で「全国一般ランチユニオン」を結成。有給休暇の残り日数分の買い取り、パートタイマーの退職金支払いを求める。その他、賃金や退職金の未払い分がいくらあるか、4月21日から30日分の賃金を支払えるとする根拠はなにか、親睦会費の会計報告を求める。
5月13日
会社訪問…社長に対して団体交渉を申し入れ。要求内容を説明し、22日の開催を申し入れる。
破産管財人訪問…4月21日からの未払い分は支払えず、5月分を支払いたいという説明。会社側の出した文書が誤りであることが判明。従業員を集めた説明会を行うように会社側には申し入れているとのこと。
ハローワーク訪問…失業者向け説明会を会社に打診しても開催してくれないという。その後、5月16日にハローワークで説明会を開くことが決まる。
5月16日
ハローワークで説明会…説明会後、その部屋の出入口でフレッシュランチの社員2名が求人チラシを撒く。後日、この件でハローワークに問い合わせ。
5月20日~21日
分会会議を開き、情報交換。
5月22日
団体交渉の日程についての連絡がないため、本社訪問。その場で社長と交渉。年次有給休暇の買い取りとパートタイマーに対する退職金支払いを求めたがゼロ回答。継続協議を求めた。
組合説明会…団体交渉の報告、明日の会社説明会に向けた打ち合わせを行う。
県庁で労組結成や要求内容の記者会見を行う。
5月23日
会社による説明会…50名程度しか入らない食堂に椅子は40脚程度。100名以上が参加したため、立って話を聞くことになる人が出る。説明する気がないのではないか。冒頭、社長からあいさつがあったが、倒産の原因を物価高や人件費高騰、労働者の成長を支えられなかったことを理由にした。裁判所や労基署に提出する制度の説明に終止する。
破産管財人訪問…申入書を提出する。特に、5月中の賃金が全額払われる人と未払いとなる人が選別されるのではないか危惧している点について問い合わせ。
労働基準監督署を訪問…未払賃金の立替制度について問い合わせ。
「売掛金の回収などに従事した従業員と何もしていない従業員では可能性は違う」
破産管財人に対する要求の中で、有給休暇の買上げやパート退職金の支給を求める中で、「5月1日から30日までの賃金が、労働者が選別され『共益債権』とならない可能性があるのか」を質したところ5月26日、「従業員の中でも売掛金の回収などに従事した従業員と何もしていない従業員では可能性は違う」と答えました。
これは5月23日の説明会で初めてそのことに触れ、労働者を選別することを明らかにしたものです。
この問題は、解雇予告通知書における誤解を招く記載、会社説明会の遅れ、そして、会社が明確な指示を与えなかったという3点が主な原因であり、その責任は会社に帰属し、労働者に押し付けられるものではありません。
組合員は、5月の勤務について、世間からユニオン・ランチが厳しい目を向けられている中で、こうした問題を払拭するために行動してきたつもりですが、それと同時に、管財業務に対して有給休暇を使用する闘争を行うこととしました。
5月28日
社長から謝罪文が届く。手続き等の質問は電話で対応するとし、再度の説明会は開催しないと回答。